ドルコスト平均法の検証

一般的に、投資を始める際には「良いスタートを切りたい」という思いが強くあります。これは、投資を始めてすぐに失敗したくないという損失回避の心理に加え、投資をどのように始めるかという判断に悩まされる投資家が多いためです。

しかし、良いスタートを切るために必要なのは、完璧な知識や予測力ではありません。むしろ、まずは小さな投資から始め、経験を積むことが大切です。また、投資先の選択も重要ですが、投資家自身が理解できる分野や、将来性の高い業界に投資することが成功の鍵となるでしょう。

最も重要なのは、投資を始めること自体です。少額からでも始められる投資商品が多数ありますので、自分に合った商品を選んで、早めに投資を始めることが大切です。その際には、過度なリスクを避けることも大切ですが、あまりにも保守的になりすぎず、チャンスを逃さないようにしましょう。

投資のタイミングについて検証

前提条件:1986年~2020年の月次データをもとに検証
①即時一括投資:基準年月に一括投資、その後7年運用
②ドルコスト平均法:基準年月から開始、10回に分けて投資、その後7年運用
③タイミング投資:世界株が200日移動平均を下回っている場合に一括投資、その後7年運用
株式はMSCIコクサイ指数を7割、TOPIXを3割としている。

まとめ

上記の検証結果から読み取れることはドルコスト平均法より即時一括投資が有利ということです。
株式のみではなく、債券など組み入れた場合も同様の結果となっています。

過去のデータから明らかなことですが、即時一括投資はドルコスト平均法やタイミング投資よりも有利であると言えます。しかしながら、投資家によってはドルコスト平均法が有効な投資戦略となることもあります。今回は、ドルコスト平均法を選択する潜在的な動機について検討してみましょう。

① 投資家が将来の結果を予測しようとする際、直近のトレンドに影響を受けることがあります。特に初期投資で成功したいと考えると、投資開始のタイミング判断の責任感を強く感じ、失敗した時の後悔の痛みが大きくなります。ドルコスト平均法は、規則に従うことで、このような後悔の痛みを軽減し、規律ある投資行動につながります。

② 多くの投資家にとって、キャッシュから投資に移行すると、特にボラティリティが高い時期には不安を感じることがあります。ドルコスト平均法は投資引き出しに規律を課し、ポートフォリオ全体の初期リスクレベルを低く抑え、ボラティリティの影響を和らげます。最終的には長期投資計画とそれに付随するリスクレベルへのポートフォリオが完成します。

③ 極端なバリュエーションの場合、即時一括投資を決断するのは難しく、タイミングを計るあまり長期的な上昇トレンドを逃す、あるいは結果的に更に上昇したところでエントリーしてしまうこともあります。ドルコスト平均法はこういった機会損失を軽減し、規律ある運用を開始するために有効な戦略です。

以上のように、ドルコスト平均法は、規則に従うことで後悔の痛みを軽減し、投資引き出しに規律を課し、極端なバリュエーションの時でも機会損失を軽減することができます。

意思決定においては、行動ファイナンス研究が示すように、大幅な損失回避や期待収益がそれほど高くないターゲット投資戦略の場合には、ドルコスト平均法が有利であることもあります。

投資家が長期的な目標達成確率を最大化し、短期的な行動バイアスに影響されずに長期的計画を実行することを提唱しています。長期的な成功は、適切な投資計画と、計画の統制のとれた実施からもたらされます。市場の短期的な動きに過剰反応すると、長期的な目標が損なわれる可能性があります。

規律ある運用計画とその忍耐強い実行は、規律のないタイミング投資や過度に分析ばかりして投資を実行しない不作為の両方を上回ります。選択した投資戦略を実行することで、タイミング投資よりも結果が改善され、ストレスが軽減される可能性が高く、これは規律ある投資計画を継続的に順守することにつながります。投資家やファイナンシャル・アドバイザーが、長期的な目標達成確率を最大化するために、規律ある投資計画の実行に注力することが重要であると考えられます。

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