デフォルトの「Xデー」は6月1日にも

米国政府債務が31兆4,000億ドルの法定上限に達し、議会で上限の引き上げや適用停止を決めなければ、政府がデフォルト(債務不履行)に陥る「Xデー」が近づいてきた。イエレン財務長官は共和党のマッカーシー下院議長への書簡で、「最近の連邦政府の税収を検証した結果、6月上旬までに政府債務のすべてを履行することは不可能になる見通しが強まった。デフォルトは6月1日にも訪れる可能性がある」と指摘した。

ねじれ議会が生んだ債務上限問題

債務上限問題が浮上したのは、昨年の中間選挙で野党共和党が下院で過半数の議席を得て、「ねじれ議会」が生じたからだ。そのため、上下両院で債務上限の引き上げや適用の停止を決めるには、民主党と共和党が歩み寄る必要がある。

2011年の米国債格下げの記憶

デフォルトが回避されても、金融市場は直ぐに安定を取り戻すことにはならないだろう。それは、2011年の苦い記憶が強く残っているためだ。S&Pはアメリカの財政赤字の削減への対応が不十分であるとの認識を示し、2011年8月5日に米国の長期発行体格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたのである。

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